永遠も半ばを過ぎて(1994年)

 中島らもの作品。睡眠薬とアルコールを飲んだ写植屋が、知らぬ間に散文詩のような文章を打ち、高校で同窓生だった詐欺師が文章をネタにして一儲けしようとする物語。間違いではないあらすじだが、物語が動くのは2/3を過ぎたあたりで、それまでは別筋のストーリーが進む。

 

 伏線らしきものもあるにはあるが、後半になって唐突に進んだ感は『ガダラの豚』よりもある。連載小説だったから最初にオチは考えていなかったのかな。男女の絡みも無理矢理ねじ込んだきらいがあって、ちょい微妙だった。これなら『すべてのバーで』のほうが読後感はよかった。